アスベストとは
アスベストは繊維状に変形した天然鉱物の総称で、別名「石綿」とも呼ばれています。性質上曲げや引っ張りに強く耐熱性・熱絶縁性・電気絶縁性に優れており、一般住宅においても「屋根材、外壁材、内装材、吹付け材、断熱材」などに利用されていましたが、現在は人体への有害性が問題視され使用禁止になっています。
アスベストがなぜだめなのか
1970年代には、アスベストが呼吸器に入り込むことでさまざまな病気の原因になることがわかってきました。
アスベストは非常に小さく、空中に飛散しても目視で確認できません。知らずに吸い込み続けたアスベストは、体内に吸収されず肺に刺さったまま残ります。肺に残ったアスベストが引き起こす健康被害は、すぐに症状としては現れません。15~40年前後の潜伏期間を経て発症するので「サイレントキラー」と呼ばれることもあります。例えば、「中皮腫」は平均35年前後という長い潜伏期間の後発病することが多いとされます。
アスベストを吸ってしまったことによる代表的な病気には、悪性腫瘍である「中皮腫」「肺がん」、非悪性腫瘍である「石綿肺(アスベストが原因のじん肺病)」「びまん性胸膜肥厚」「良性石綿胸水」があります。
アスベスト含有建材を使った住宅の解体は、2040年ごろにピークを迎えると言われています。周辺住民に健康被害を拡げないためにも、適切な解体方法を遵守することが大切です。
アスベストに係る法規制の移り変わり
昭和50年 | 労働基準法特定化学物質等障害予防規則(特化則)の改正により、石綿含有量「5重量%」を超える吹き付けが原則禁止になる。 |
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平成7年 | 特化則の改正により、石綿含有量「1重量%」を超える吹き付けが原則禁止になる。 |
平成16年 |
労働安全衛生法施行令の改正により、石綿含有建材・摩擦材・接着剤等10品目が製造が禁止になる。 |
平成17年 | 石綿障害予防規則制定により、石綿含有量「1重量%」を超える吹き付けが完全禁止になる。 |
平成18年 |
労働安全衛生法施行令の改正により、石綿含有量「0.1%重量%超」を超える製品の輸入・譲渡・提供・使用・製造等が全面禁止される。 |
建築物等においては、平成18年(2006年)以前に建てられたものはアスベスト含有建材が使われている可能性があります。自宅にアスベストが使われているかの、ひとつの判断目安になります。
また、アスベストの代替品として広く使われているロックウール(岩綿)は、発がん性が確認されておらず。ご自宅に使われていても、特に心配する必要はありません。
アスベストの危険レベル
ずさんな解体工事をすると、アスベストを広範囲に漂わせてしまいます。そうならないために、国土交通省によって飛散の危険性に合わせた作業レベルが定められています。
作業レベルは、アスベスト含有建材の発塵性(はつじんせい)の高さを基準に1から3に分けられています。
解体工事の受注者は、作業レベルに合わせて飛散防止策を講ずる必要があります。
作業レベルごとの概要は、以下のとおりです。
●レベル1(著しく発塵性が高い)
防火材や外壁の仕上げ塗材など、アスベスト含有吹き付け材が対象。
撤去する際に大量の粉塵(ふんじん)が発生するうえアスベスト濃度も高く、細心の注意が必要です。高濃度で大量の粉塵に対応できる防塵マスクや防護服など、適切な保護具の使用が求められます。徹底したばく露防止対策も必須です。 解体工事においては作業場の隔離や前室(更衣室・洗身室)の設置、届出が必要です。
●レベル2(発塵性が高い)
アスベスト含有断熱材、保温材、耐火被覆材などが対象。
レベル1に準ずる厳しいばく露防止対策が必須です。解体工事においては作業場の隔離や前室の設置、届出が必要です。
●レベル3(発塵性が比較的低い)
アスベスト含有スレートやビニル床タイルなど、主に成形板の建材が対象。
セメントや樹脂で固められているので飛散しにくいですが、切断や破砕作業においては発塵します。水や薬剤を散布するなど湿潤化したうえでの手壊しが基本で、作業者は適切な作業着や防塵マスクを装着します。作業場の隔離や前室の設置、届出は不要です。
アスベスト含有建材が鉄骨、鉄筋、木造のどこでつかわれているか
アスベストの使用が法的に規制されるまで、アスベストはRC造(鉄筋コンクリート)、S造(鉄骨)、戸建住宅など、一般住宅を含むほとんどの建物で使用されてきました。
吹付けアスベストや断熱材、ボード、スレートとして使用されるほか、住宅の内装材・外装材にも目に見えない形で含まれるなど、あらゆる場所でアスベストが何らかの形で使用されています。
アスベスト事前調査が法律により義務化
2023年4月1日から、建築物等の解体・改修工事を行う施工業者は、大気汚染防止法に基づき当該工事における石綿含有建材の有無の事前調査結果を都道府県等に報告することが義務づけられています。
報告は、厚生労働省が所管する石綿障害予防規則に基づき、労働基準監督署にも行う必要があります。
さらには、2023年10月1日より「石綿含有建材調査者」による調査報告の義務化が行われています。
建築物石綿含有建材調査者には、一般、一戸建て、特定という3 つの種類があります。
◆アスベストの事前調査には、下記のいずれかの資格を持った者が行う必要があります。
①特定建築物石綿含有建材調査者(特定調査者)
②一般建築物石綿含有建材調査者(一般調査者)
③一戸建て等石綿含有建材調査者(一戸建て調査者)
④2023年9月30日以前に(一社)日本アスベスト調査診断協会に登録されている者
資格を持ってない場合は専門業者に依頼をする必要があります。
弊社では一般建築物石綿含有建材調査者※1(主任者)と石綿取扱い作業従事者※2(従事者)の資格があるので外部に委託することなく、見積り、施工することができます。
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